Organic dairy products(有機酪農製品)とは・・
アメリカでは、乳牛へのホルモン剤投与や、飼育餌の懸念から、薬物を使用せず、
有機栽培の餌のみを与えて飼育した牛から、搾乳した乳製品のことを
有機酪農製品と呼びます。
日本では、まだそこまで徹底した有機酪農製品はでていませんが、
“自然の上質の餌だけを与えた”薬剤・“ホルモン剤不使用”等の乳製品は、
少しずつ市場にでまわっています。
一般的に(私も含めて!)、そういった“自然志向”のものは、なんとなく
“動物にも優しい、動物も倫理的に良い扱いを受けている”、という印象を持っています。
IDAの実習生が、2003年の春、有機酪農で有名なオレゴン州にある、いくつかの酪農場へ
潜伏調査にでかけました。“有機”酪農場、ということで、牛の扱いの基準が、
通常の酪農場とどのように違うのか、現場を調べ、農員と話したり、動物の飼育状況を記録しました。
その経験についてのインタービューです。
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質問1: この調査で何がわかりましたか?
有機飼育だからといって、動物達が“人道的”に扱われているわけでは
ありませんでした。膝までの深さの糞尿と汚物に浸かり、アンモニア臭のたちこめる
とても小さな暗い湿った育舎に閉じ込めらた牛達を見て、私の心はショックで
張り裂けそうでした。
雌牛に人工的に精液を注入するために、直腸へ農員が、腕をひじの深さくらいまで
荒々しく突っ込みます。そして膣へとチューブが差し込まれるのです。
私は、その時、雌牛が大きく見開くのを見ました。
生まれた子牛達は、生後直後から3ヶ月間、この業界で“ハッチズ”と呼ばれる場所に
寂しく隔離されています。
オレゴンでは、これらの有機酪農の牛達は、1年のうち、8ヶ月間は納屋に閉じ込められるのです。
これらの酪農場は、牛の角を切除します。これは牛にとって非常な苦痛を伴う処置です。
一般的に、有機酪農の乳製品は、人道的・倫理的な生産方法がとられているように、
思われがちですが、それは真実ではありません。通常の酪農から有機酪農を比べると、
いろいろな違いがありますが、それらは『人間にとっての利点』だけで、牛達にとってのものでは
ありません。また、もう一つ忘れてはならない大切なことは、
通常酪農であれ、有機酪農であれ、それらの乳製品を買うことは、ヴィ−ル(子牛肉)、
牛肉、革製品産業を支援していることになるのです。それらは、すべて酪農場の副産物だから。
質問2: 『ヴィ−ル肉用』として柔らかさを増すために、オスの子牛が
極小の木枠に閉じ込められることは知られていますが、なぜメスの子牛まで
同じ扱いを受けているのでしょうか?
有機酪農場では、生まれた子牛は、すべて出産直後から隔離され、木枠へ閉じ込められます。
それは、彼らが母牛の乳を飲まないようにするためです。人間がその乳を消費するために。
ある農場では、子牛達は首から、たった30cmほどの鎖で繋がれ
向きを変えることも立つこともできずにいるのを見ました。
「隔離」は、どんな動物にとっても、最も残酷なことです。牛は、とても社交的な動物なので、
子牛もその性質からとても遊びが好きです。子牛が同じ場所で、跳ねたり少しのスペースを探して
走るろうとする動作を見ました。彼らは、運動と社交の場を切望しているのです。
その試みが叶わないと知った彼らが、欲求不満、退屈、そして鬱状態へ陥っていくのを観察しました。
これを見たときはまさに心が張り裂けそうでした。
これらの子牛は、私に触られるのを懇願し、手を出すと一生懸命、身体をのばして手を舐めてきます。
スキンシップが持てないので、せめて隣りの木枠にいる子牛と、少しでも近づけるように、と
彼らは木枠の一番はしっこへ身体を寄せているのです。
質問3: この調査の中で、何が一番つらかったですか?
何がつらかったか、ですか?
この愛すべき生き物が、我々の楽しみのために、日々苦しんでいるのを目撃したことです。
こんな条件の中で、一生を過ごすことなど、私には想像もできません。私が想像できるどんな苦痛よりも
彼らの日々の苦痛は大きいでしょう。これらの雌牛は毎9ヶ月ごとに、子牛を出産し、
彼らが引き離される時に大きな悲しみを表します。子牛が飲むべきその母乳を
ビンに詰め、人間が消費し、その子牛達は穀物を与えられている事実から、我々は逃避しています。
他の種が飲むために、本来、乳を必要とする幼動物を母乳から引き離す、とは
なんという不条理でしょう!地球上で、どんな動物もそんなバカげたことはしません。
質問4: もっとも心に残った思いはなんですか?
私の記憶の中に、永遠に、決して消えることのない画像が刻み込まれました。それらの絵は、
脳裏から離れません。そうやって、その絵が私に絶えず付きまとうことは、大切なことなのです。
動物達が毎日苦しんでいることを、私に思い出させてくれるから。それによって
もっと、この世界に変化をもたらせるよう、頑張って働けるから。
私達みんなが分け合うこの世界のために。。
IDA Magazine 2003Fall より
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