ウール
ウール。モコモコの羊たちが、私たちのヘアカットのような感覚で、痛みも苦痛もなく、
彼らの余分な毛を提供してくれているのだ、とばかり思っていた私。
でも真実は、私の想像とは大きく違っていました。
世界で使用されるウールの80%は、オーストラリアで生産されます。

生後数週間で子羊はラベル付けのため耳に穴をあけられ、しっぽを切られ、
オスは麻酔なしで去勢されます。これらは、犬や猫ならば、法的に「虐待」に値する手術で、
年間5000万匹以上の羊が苦しみます

飼育される羊の死亡率は下記のように異常な高さですが、それが“普通”とされています。
20−40%の子羊が生後8週間以内に寒さ、飢えで死にます。
年間、800万匹の成羊が、病気、施設の不足、管理怠惰のために死に、
さらに100万匹は、毛を刈られた30日以内に死にます。

ほとんどの羊はメリノウール用に飼育され、特別に皮膚にしわが多くできる
種(より多いウールがとれる)を繁殖させます。
不自然な多量のウールのせいで、暑い時期には熱死が多く起こります。
しわが、尿や湿気をためてしまうので、ハエがしわの中に卵を産み付け、うじがわき、
羊は生きながら、うじに食われることになります。それを防ぐため、子羊の足から、
麻酔なしで、大きな皮を切り取る残忍な“手術”が行われます。しかし血まみれの状態が
治る前に、大抵はハエの繁殖が始まるので、“手術”自体のせいで多数の羊が死にます。

老化した羊は、生産性を延ばすためと、歯が欠けることを防ぐ、という理由から
電動粉砕機やディスクカッターの刃で、歯茎レベルまで、麻酔なしで歯が削られます。
この恐ろしい処置は、虫歯などが露出され、極度の痛みと大出血を伴います。

動物数を減らし、管理体制を向上させるかわりに、行政は、さらに繁殖を強制し、
栄養不良のオス羊は実験室に送られ、温度制御された部屋に入れられ、死に至るまで、
どのような環境に耐えられるかを試す検査に使われます。

経済変動のあおりを受け、1990年には、1000万匹の羊が射殺され埋められました。
刈りこみの時期を少しでものがすと、それだけの損失になるので、時期を焦って
刈りこみが行われるため、毎年ほぼ100万匹の羊が犠牲になります。
羊は、体温が40度近くあるので、短く刈られすぎた羊は、裸の人間よりも、はるかに寒さに
弱くなるのです。

最大限の生産をあげるには、“いかに早く刈るか”がカギです。作業人たちは、時給ではなく、
生産量で雇われてるので、乱暴、粗雑きわまる作業を行います。目撃者の証言によると
『刈りこみ小屋は、動物にとって、最悪の場所のひとつだ。作業人は羊をハサミやげんこつで
鼻血がでるまで殴りつけながら、刈りこみをすすめる。顔が半分切り取られてしまった羊を
見たことがある』

老化し、ウール生産に使えなくなった羊たちは、水なし、食べ物なしのトラックと電車で、
はるか遠い屠殺場へと送られます。到着するころには、死んだもの、死にかけているものが
山になり、腐蹄症にかかっている羊たちはひざで這うようにして、身体をひきずり
屠殺場へ向かうのです。

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【中近東への生体輸出】

もう一つの最悪な虐待は、毎年700万匹の羊が、生きたままでオーストラリアから
中近東へ輸出される事実です。オーストラリア・ウール議会は、この輸出を
『ウール産業の重要資源のひとつ』として支持しています。
3−6週間もかかる船旅、込み合った、病気の蔓延する俗悪な環境で、糞尿にまみれ、
18%の羊が旅の途中で死にます。たったひとつの飼育箱だけでも、
寒さのため15000匹の羊が死にます。

生き残った700万匹は、かつての奴隷貿易を思わせる14階だての巨大な船に集められます。
125000匹近い羊が、一つの船に詰め込まれ、横になることもできず、3週間分の
糞尿の海にまみれ、気温の激変や船酔い、病気、怪我などに苦しみます。幼い羊は、
たいてい他に踏みつけられて死にます。

中近東までの3週間の船旅がやっと終わると、生き残った羊たちは、宗教儀式でいけにえとして
殺されます。イスラム教の法律では、儀式中にナイフを研ぐことを命じないため、羊たちは、
鈍くて切れないナイフで喉を裂かれるのです。
バーレーンに住むシタール・アバトーの証言によると、『囲いがいっぱいになると、すぐに屠殺が
始められる。喉から血が吹き出した羊は、懸命に立ち上がろうとし、頭をゆらし必死で声を出そうとした』

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【ウール産業で犠牲になる他の動物】

カンガルーは羊用の草を食べるとして、害動物とされることから、
オーストラリア政府は、年間約500万匹のカンガルーの屠殺許可を出しています。
 
カンガルー殺しをする90%のハンターは、素人なので屠殺方法は、トラックでひき殺す、飲み水に
毒を入れる、死ぬまで打ちのめす、杭を突き刺す、など、とんでもない方法で行われます。
一番よく使われる方法は夜間に路上で、車のライトを照らされ、一瞬動けなくなったところをライフルで
撃ち殺すというものです。肉の新鮮さを保つため、ときには、何時間も何日も、半死状態のままで
置き去りにされることもあります。子供のカンガルーは、「銃弾一つの値打ちも無い」という理由で、
大抵は木や車のバンパーに叩きつけるか、頭を蹴って殺します。

アメリカでは、毎年何千匹ものコヨーテが、羊に害を与えるとして、毒殺、銃殺、生きたまま焼殺されます。
参考文献、翻訳: PETA factsheets
ウールに替わる衣類や毛布≫
すでに、ウールにアレルギーがある人達に愛用されているものに、フリースやネル、ポリエステル
その他多種の合成化繊が存在します。それらは、色あせたり、洗って縮むこともなく、
ウールに比べ安価です。そして、なによりも動物虐待に貢献せずに使えます。
今年の冬は、ウールに頼らず過ごしてみませんか?
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